声優になりたいという人は、今やそこらじゅうに溢れんばかりに目にするようになりましたね。
しかし声優業界も、もはや飽和状態であることには違いありません。言い換えれば、数少ない席を、ベテランの方々を押しのけて奪い合わなければなりません。
のっけから脅しのようなことを言うようですが、声優を目指すということは、そういった戦場に乗り込むことに等しいのです。
「ああ…私は気が弱いから向いていない」と思った方もいるでしょう。でも本当にそうなのでしょうか?
声優に向いている性格の持ち主って、一体どんな人なのでしょう。
1.目立ちたがり屋である
私が思うに、声優に向いている性格を一言で言ってしまうのであれば『目立ちたがり屋』です。気が強い・弱いは関係ありません。
ただただ、胸の奥底に「いつか私も声優として活躍して、世の中の人に私の声を聞いてもらいたい!私のお芝居を見てほしい!」という想いを強く持っている人こそ、声優に向いていると思います。
真の目立ちたがり屋は、人から注目されているときに、いつも以上に力を発揮します。普段は気が弱くても、本番でさえ堂々とできるのであれば問題ないのです。
そして目立ちたがり屋は、人前で目立つときにカッコ悪いところを見せたくないので、普段から努力を怠りません。
中には天才型で「何故か何もしなくてもできちゃうんだよね」みたいな人もほんの一握りいますが、そういう人だってダメ出しを一切されたことが無いなんてことありえません。ダメ出しされたことを直す努力を必ずしています。
2.素直である
ダメ出しの話になったので、さらに付け足すのであれば『目立ちたがり屋』かつ『素直』な人、が声優に向いていると言えますね。
筆者が養成所に通っていた頃にもよく見かけたのですが、講師のダメ出しに素直に従わない人の多いこと多いこと…
わざわざお金を払って養成所に通って、ベテランの講師の方に指導をしてもらっているというのに、ダメ出しされると「そんなことはない、私はちゃんとやってます!」みたいな態度で反発する人って意外と多いんですよね。
何でレッスン歴1年か2年かそこらのひよっこのくせに、芸歴の長い先生方の言うことが納得いかないんだか…いやー筆者には理解できません。
そうそう、たまに養成所レッスン歴10年以上みたいな養成所ベテランみたいな人もいて、そういう人も変に自信だけ育ってしまったのか、講師のダメ出しを受け入れない人がいますね。
絶対にああいった人のマネをしてはいけませんよ。自分の現状を素直に受け入れられなかった結果が、ただの養成所レッスン歴10年以上なのですから。
ああ、お金と時間がもったいない…。
この記事を読んでいる声優志望者のあなた、すました顔をして「私はダメ出しされたら素直に従ってますよ~?」と思ったことでしょう。
でも筆者の見立てでは少なくとも半数以上の人は、レッスン中のダメ出しに真摯に向き合えていないと思いますね。それだけ自分の欠点を素直に受け入れて、それをすぐに直そうとすることって難しいことでもあるのです。
3.声優に向いている性格の持ち主とは?
また、素直にダメ出しを受け入れられない人は、養成所のレッスン中よりも、現場に出たときにとても苦労します。
才能だけでスイスイッと現場には出たものの、プロの現場は養成所のレベルとは全く違いますから、急にダメ出しの内容と速さのレベルが上がったときに、それを素直に受け入れて即座に対応することに慣れていないので、すぐに置いていかれてしまいます。
そうなったときに「こいつは使えないな」と音響監督や現場のスタッフの方々に思われてしまったら、二度とその現場に呼んでもらえなくなります。これではマネージャーもあなたを売り出したくても売り出すことができません。
まだ声優を志望して間もないあなたは、声優になってチヤホヤされる自分の姿しか想像していないかもしれませんが、現場では誰もチヤホヤなんてしてくれません。
現場にいる方々は、皆さんプロの職人です。限られた時間の中で、それぞれが作品のクオリティをいかにあげるかを常に考えています。
それは声優も同じです。声優はチヤホヤされるために現場に行くのではありません。要求されるプロのお仕事をきちんとこなすことができなければ、戦場で長く生き残っていくことはできないのです。
「私は素直じゃないから無理かも」と思った人は、どうぞそこで諦めてください。「私は素直じゃないから、素直になる努力をしよう」と思った人は、上へ行ける可能性があります。
戦場へ踏み出す勇気の持ち主であり、なおかつ戦場で生き残るための努力を惜しまない『目立ちたがり屋』で『素直』な人こそ、声優に向いている性格の持ち主といえるでしょう。
まとめ
芸能界はどこもそうですが、声優の世界もとにかく競争が激しいです。ものすごく実力があるのに、人気の役が取れない人もたくさんいます。
そんな中で生き残っていくには、とにかく自分を見てくれ!と周りの目を引くしかないのです。そして運良く役が取れても、現場で素直に指示に従えなければ、次はナシ。
とっても厳しい世界なのです。
性格が『目立ちたがり屋』で『素直』でさえあればいい、という訳ではありませんが、厳しい世界で生き残っていくには、これらの性格は最低限必要な要素なのではないでしょうか。