声優のギャラって、たまに声優さんがテレビなどで「声優のギャラはこれくらいです」って言ってたりするけど、なんだか特殊な感じであまりピンと来ないという人も多いかと思います。
もしかしたら耳にしたこともあるかもしれませんが、声優業界には「ランク制」という制度が存在します。
初めて聞くという人も多いかと思いますので、ランク制だとどういう風にギャラが決まるのかをご紹介します。
1.声優のランク
晴れて声優としてお仕事をすることになると、協同組合日本俳優連合(日俳連)に新人登録されることで「ランク」がつけられます。
新人声優は最初の3年間は、アニメや吹き替えのお仕事のギャラは1本あたり15,000円で固定となっています。1本あたりなので、30分でも2時間でも15,000円です。
基本的には年数が経つにつれてランクは自動的に上がっていき、3年経過すると最高ランクの1本45,000円になっていきます。
さらにその上にはノーランクという上限無しのランクも存在し、ギャラはお仕事ごとに交渉して決まることになります。
2.重要なジュニアランク時代
声優はジュニアランク時代にいかに人気を出せるかが、今後の声優生活のカギとなってきます。
どんなに実力や人気の差があろうと、どの新人声優も15,000円で使えるのですから、制作サイドとしてはかなりおいしいですよね。
ここで制作スタッフの人達に気に入ってもらいながら、世間の人気も不動のものにしてしまえば、その後ランクが上がってもお仕事がもらえるようになります。
一方で、ジュニアランク時代になかなかオーディションに受からず、いわゆるガヤ(役名の無い「その他大勢」)のお仕事ばかりしか出来なかった…という声優は、ジュニアランク卒業後に伸び悩んでしまう人がほとんどなのが現実です。
制作サイドも、実績が無い割にギャラが高い5年目以降の声優を使うなら、多少実力は落ちても安くてフレッシュな新人を使おう、と思ってしまうのは仕方のないことなのかもしれません。
3.アニメや吹き替え以外はランクは関係無い
ランクによるギャラの金額は、あくまでアニメや吹き替えの話で、ナレーションやゲームのお仕事の場合はランクに縛られません。
そもそもランクが設けられた理由は、まだ俳優・声優の地位が今よりもずっと低かった時代に、アニメや吹き替えのお仕事の内容のギャラが不当に低かったことに対して反対した人達が「この仕事をするなら最低でもこれだけギャラをもらいます」という意思表示をするためなのです。
さて、アニメや吹き替え以外の声優のお仕事はもちろん色々あるのですが、ランクに縛られないということは新人だろうがベテランだろうが、人気と実力があればがっつりギャラをもらえる可能性があります。
では、どのお仕事がギャラが高いのでしょうか。
4.ゲームやナレーションはギャラが高い
ちなみにテレビでベテラン声優の神谷明さんもおっしゃっていましたが、「パチンコ」のお仕事が一番ギャラがもらえるとのこと。
しかし、パチンコのお仕事は、大抵先に何かしらのアニメやゲームの作品に出ていないとまわってこないお仕事ですので、なかなかパチンコのお仕事ばかりしたいと思っても無理がありますね…。
次いでギャラが高いのが「ゲーム」で、その次が「CM」、さらに「ナレーション」、「アニメ」、最後に「ラジオ」とのことでした。
ゲームやナレーションといった、一人で収録ブースにこもって台本を読む系のお仕事は、文字数によってギャラに差がありますが、確かに時給換算するととてつもなく割の良いお仕事であると言えます。
それだけに、これらのお仕事が平均的にできるようになってくると、年収はかなりのものになると言えるでしょう。
5.声優の年収
声優のギャラの形態はご紹介した通り、時給換算するとなんだかんだ、どのお仕事も高めとなっています。そのため、仕事の数をこなしている声優は、かなりの年収になっていると思って良いでしょう。
また、ランクの関係もありますので、アニメや吹き替えのお仕事がメインの人よりも、ゲームやナレーションのお仕事が多い人の方が、年収はずっと多いはずです。
さらに言えば、ノーランクの大ベテラン声優さん達は、先述の通りギャラ交渉ができますので、レギュラー番組のナレーションを持っていたり専属の吹き替えの役があったりすると、数はこなしていなくても「そんなにもらってるの!?」という年収になっている可能性もあります。
一方で、現実的な話をしてしまうと…そういった「声優だけで食べていける」年収をもらっている人達は、本当にごく少数です。プロと呼ばれる声優でも、サラリーマン並に稼げている人すらほとんどいないのです。
そういう人達は、アルバイトを掛け持ちしたり、養成所などの講師をしてなるべく安定した収入を確保することが多いです。
まとめ
数さえこなせれば、かなりの年収になる声優の世界ではありますが、その数をこなすこと自体が、本当に難しいのです。
もし声優だけでずっと食べていきたいのであれば、アニメや吹き替えだけでなく、ゲームやナレーションの数もこなしていける声優になりたいものですね。