ピアノの初心者といっても、子どもから大人まで幅広くいらっしゃいます。
まだ、よく字が読めない幼児と、ある程度言葉が理解できる学生、ピアノには以前から興味があり、時間ができたタイミングで習おうと思われた大人の方とは、選ぶ曲や本も少し変わってきます。
全てに共通して言えることは、指使い、指の動き、ブラインドタッチなど、練習しなければ中々身に付かない基本のテクニックが入った練習曲がおすすめです。
3つの年代別に分けて紹介していきます。
1.幼児のおすすめ練習曲
学研が出版している、はじめてピアノを習う幼児のために『ぴあのどりーむ』〔幼児版〕があります。
初級ピアノテキストになっていて、はじめは指の番号から覚えます。右手、左手のイラストに数字がふってあり、覚えやすいように指番号の歌の曲もあります。基本のドの位置は鍵盤のイラストの上に書いてあり、指番号1を使う練習ができます。
右手、左手ともにドの音を数回押さえる練習曲があり、片手ずつ弾けるようになったら両手を使い、右手と左手の親指を使って、交互にドの音を弾いたり、お休みのタイミングをリズムでとらえたりすることもできます。
両手の親指と人差し指(指番号1、2)を使うド、レ、シの音で一冊が修了するので、小さな子どもでも達成感が感じられやすい練習曲です。シールもついていて、上手に弾けたらご褒美に貼って、楽しく練習することもできます。
ぴあのどりーむは1~6まであり、6巻には「エリーゼのために」や「トルコ行進曲」もあり、初級レベルの修了となっています。
2.学生のおすすめ練習曲
株式会社ドレミ楽譜出版社から出ている『こどものバイエル教本』は、1~5冊に分かれていて、練習曲もたくさんあります。
5巻になると、16分音符や16分休符、付点8分音符やイ短調、へ長調など、説明がついたページのあとに練習曲がついています。説明や専門用語には、ふりがながうってありますが、幼児には少し難しい内容となっています。
原書番号86は、ド、レ、ミ、ファ、ソの5つの音しか使われていないのですが、音の長さが異なるフレーズがいくつか組み合わさっているので、長さの違いが感覚的につかみやすくなっています。
上手に弾けるようになったら、先生の伴奏の楽譜もついているので、一緒に演奏すると気分が乗ります。うまく拍子がとれないときは、歌いながら弾くとスムーズに弾けます。
幼児版のテキストとは違って、表紙もシンプルなので、大人でも持ち歩きやすいですし、奥が深いです。
3.大人のおすすめ練習曲
幼児や学生向けの練習曲の本は、イラストつきで簡単な言葉で説明されている練習曲も多いのですが、単純すぎて物足りないと思われる方には、学研の『ピアノの森』がおすすめです。
指の練習は同じですが、一つ一つに曲名がついていて、イメージしながら鍵盤にふれることができます。
「チューリップのワルツ」、「メリーさんのひつじ」、「ちょうちょう」といった、なじみ深い練習曲が早い段階から出てくるので、曲を弾いていることで単純な練習をしている感覚があまりありません。
3巻になるとバイエル上級程度になり、発表会でよく演奏される「メヌエット」、「トルコ行進曲」や、ベートーベンの「エリーゼのために」もあり、かなり上達したように感じられます。
これから発達していく段階の子どもは、同じバイエル練習曲でも5~6巻に分けて上達させていますが、大人の場合、3巻でも自分のペースで進めば、十分楽しみながら上達することができます。
まとめ
ピアノの練習曲は、基本に忠実になるほど、達成感を感じられないこともあります。初めて楽器に触れる幼児と、いろんな音楽に触れてきて、ピアノで初めて表現しようとする大人とは達成度も変わってきます。
同じ初心者のバイエルの練習曲でも、著者により内容が少しずつ違い、年齢にあった練習をすることができます。
単純な練習でも、幼児にはシールを、大人には専門用語を使って年齢にあった教本が出版されています。