ピアノを始める時期については、ピアニストになりたい人、趣味としてピアノを習得したい人によって答えが変わってきます。ピアノをたくさん教えてきた中で感じた事を素直に書き下ろしていきます。
ピアノを習得するのに年齢制限はない
ピアノを習い始める大人の方で「もう40歳だし、今からピアノを習い始めるには遅くないですか?」と質問される方がいますが、私はこのように正直に答えます。
「ピアニストになるのはごめんなさい。正直に言いますと遅いです。でも、ピアノを習得するには、大人だから遅いなんて事は絶対に無いです。子供の頃は、耳を鍛えたり、指の柔らかさをキープしたりする事ができます。しかし、大人の方は、子供よりも人生上の経験が豊かで表現力があります。大人だからこそ出せる音がありますので、安心してください」
とお答えします。
「ピアノが好き!」という気持ち、「この曲が弾いてみたい!」という情熱があれば、時間はかかりますが必ず弾けます。
40歳であっても、60歳であっても、時間に焦らずコツコツレッスンすれば、何歳からでも身につきます。
ピアニストを目指すには
ピアニストになる人は3歳からという事をよく聞きます。実際に3歳の子を教えていて感じる事は、3歳の子はまだ字が書けず、リズムを頭では理解をすることができないということです。
大人は、歌を通じて身体を動かしたり、楽器を使ったりして、楽譜上ではなく頭で覚えるのに対して、子供はあの手この手で感覚を通して音楽を覚えていきます。
その為リズム感や、音程を身体に染み込ませる事ができます。しかし、私の知り合いの中にも、7歳から始めてピアニストになった人もいますし、14歳から始めて音大を卒業し、音楽の先生になった人もいます。
私の経験上、幼稚園は音楽的な感覚を鍛え、低学年で演奏に必要な基本技術を身につける。高学年からは、感情の表現の仕方や、細かい音楽的な技術を身につけていきます。
どの工程もピアノを身につける上で大切です。小さな頃から音を聞いていると、絶対音感を身につけやすいです。だからといって、小学生だから遅すぎるということはありませんのでご安心下さい。
もし、ピアニストを目指すのであれば、毎日最低1時間から2時間は、ピアノの練習をしないといけません。先生に与えられた新しい曲を次のレッスンまでにきっちりと譜読みをし、強弱をつけて、それなりの音楽にして持っていくことは最低限のルールになります。
私は10歳くらいの頃から、ソナチネやソナタを弾いていましたが、1週間で指定の楽章をすべて譜読みをして持っていっていました。先生のレッスンでは、音色や表現などの指導を受けていて、譜読みなどはすべて家での自習にしていました。
音楽を形にして持っていかないと、譜読みのために時間がかかってしまい、肝心な表現や音色までレッスンが進まず、上達に大きく影響を与えてしまいます。
あと、ピアニストを目指すのであれば、レッスンの技術だけでなく、礼儀作法としてレッスン前にはしっかり「お願いします」、レッスン後に「ありがとうございました」とあいさつをすることを忘れないでください。
そして、日本の先生にお月謝を持っていくときは新札を入れるようにしてください。日本での音楽のレッスンにおける暗黙のマナーです。
まとめ
今回は、ピアノのレッスンを始める適齢期についてお話をしました。ピアノを習う上で大切なことや、年齢別の習得すべきことなどを書きました。
ピアノを習うのに年齢制限はありませんが、ピアニストを目指すとなると、音楽的な技術と音との触れ合う時間が長い方が有利になってきます。
何より大切なことは、音楽と向き合い、音楽で表現する楽しさを見出すことです。このように感じさせてくれるレッスン、先生に出会うことも大切な要素です。