ピアノをレッスンして少し弾けるようになってきたら、いろいろな曲にチャレンジしたくなりますよね。
しかし、楽譜を見ていても、どれが自分のレベルに合うのか分からなくて、結局曲を選ぶ事ができないことがあると思います。初めてみる楽譜は全て難しそうに見えますが、意外と弾きやすいものもあるのです。
今回は、難しそうに聴こえるけど、譜読みが比較的しやすい名曲をいくつか挙げていきます。レベルは、ソナチネなどが弾ける程度のレベルで、少しがんばったら弾けるものを選曲してきます。
1.飛翔 OP.12(シューマン作曲 幻想小曲集 2曲目)
躍動感のある曲で、とても力強い曲です。低音を響かせることで曲の広がりが増し、曲のダイナミックさを引き立てます。しっかりと音に重みを持たせるところと、やわらかく滑らかに弾くところをしっかり区別をつけることで曲全体のまとまりがよくなります。
曲の始まりの部分からインパクトがあり、一度聞くと忘れることのできないメロディーで、発表会で弾くときも最初から最後まで、聴く人の心、そして弾く人の心を掴むことができます。
体重をしっかり乗せて弾くように練習してください。譜読みは、主題が何度か出てくるのでそこまで難しくないです。ただ、高音部を美しく歌うように弾く練習や、細かい表現、メロディーラインがどこにあるのか、しっかり理解して弾かなくてはいけません。
一度譜読みをして弾けるようになると、ピアノを弾く喜びが増し、一生の宝物になると思いますよ。
2.ラプソディー第1番 ロ短調 OP.79(ブラームス作曲)
こちらの曲は、とても情熱的で迫力があります。ピアノの鍵盤を隅々まで使って、曲の切迫感や、情熱をフルに表現できるような曲です。私が学生の頃、初めてこの曲を聴いたとき、半ばショックに近い雷のような衝撃を受けたのを覚えています。
情熱的な曲とはこのような曲のことを言うのだなと、今まで弾いてきた曲をすべて否定されたような、とても新しい感情を抱いたのを今でも鮮明に覚えています。
曲は、激しい主題から始まり、間は少し柔らかな雰囲気になります。この柔らかな雰囲気が、嵐と嵐の間の静けさのような緊張感と安らぎを与えてくれます。
ゆっくり譜読みをすると、聴いた印象よりも弾きやすいと思います。いずれにしても大曲ですので、譜読みにそれなりの時間がかかりますが、それだけの価値と充実感を与えてくれます。
曲全体が情熱的で長く、体力が必要です。しっかり体力の配分を考えて弾かないといけません。それなりの集中力と体力がないと、最後まで弾ききれないと思います。
最後まで弾けるようになったときには、無我夢中で弾きこのラプソディーの虜になっていると思います。
3.バラード1番 ト長調(ショパン作曲)
優雅なメロディーの中に、少しずつフツフツと情熱の火種が燃えてきて、その炎が大きくなっていくようなイメージを抱きます。情熱的と一言で言っても、ショパンの作品はさすがであり、メロディーが美しく、どこまでもピアノをきれいに歌わせます。
ピアノの音がこんなにきれいな音で響くのは、ショパンの魔法の力だと思ってしまいます。はじめの部分から曲が進むごとに、気持ちが高鳴っていきます。あまりにも美しいメロディーに、ピアノを弾く喜びを感じずにはいられなくなります。
譜読みは、ゆっくりするとそんなに難しくないのですが、インテンポで弾くには、とても時間がかかります。早く仕上げるための曲ではなく、ピアノ人生一生をかけて、すこしずつ成熟させていくような曲だと思います。
曲も長いので時間を要しますが、少しずつ弾けるようにトレーニングをしていくことをお勧めします。ピアノを弾く人の憧れの一つの名曲であるのに間違いがありません。
まとめ
こちらで紹介した名曲は、すべて弾く人、聴く人の心を掴む事ができます。決して簡単ではありませんが、時間をかけると不可能な曲ではありません。
このような大曲を練習するときは、曲と向き合う時間や、譜読みにも時間がかかります。「自分の集中力や、体力、忍耐力との戦い!」と言ってもいいと思います。
弾けたときの充実感をイメージしながら、コツコツと練習を重ねることが大切です。すぐに仕上がらないのは当たり前です。
時間をかけて表現する楽しみを感じ、成熟させていくようにしてください。