ピアノの発表会は、緊張するので、いつも出来ている事が出来なくなったり、楽しく弾けなかったりトラブルはつきものです。
ピアニストもコンサート前はいつも緊張するものです。
では、ピアニストとしてコンサートをする時の気持ちと、緊張の和らげ方を伝授します。
1.練習をしっかりする
これは、誰でもわかっている事ですが、生徒さんが十分練習する理由は「間違えなく弾くため」とか「覚えるため」です。
しかし、現役ピアニストの場合は、練習を重ねる理由の中に「自分の演奏に自信や確信を持つため」があります。
疑問が残ったまま舞台に立つほど怖いことはありません。練習期間に「やりきった!」と確信が持てるまで弾きこみます。
また、発表会で弾く曲は、しっかりと覚えてどのように工夫するか、表現するかと言うことを考えます。
イメージとしては、頭で弾くというより、気持ちで弾くようなイメージです。
また、暗譜をしないといけない場合、時間がかかる人もいます。暗譜をする時は、楽譜を外す前から強弱や表現をしっかり見ていきます。
まず音を覚えて、それから強弱を見てという手順ではなく、同時進行にすると身体が覚えてくれます。
2.曲の選び方
発表会を成功させるには、選曲はとても大切です。難しい曲にこだわるだけではなく、しっとりとした曲を弾くほうが、始めはいいかもしれません。
舞台に立つと、緊張してしまい心臓の脈拍が上がります。すると、いつもより手が早く回ってしまって、指が回りきらなかったりします。
しっとりとした曲なら、慌てることなく弾き始めることができます。
もし緊張してしまうのなら、ゆっくりと始まり中盤少し激しくなり、またゆっくりと終わる曲など、1曲の中でテンポの変化があるものを選ぶと、テンポを取り直すきっかけをつかむことができます。
本番は何が起こるかわからないものです。選曲をしっかりすることで、冷静さを取り戻す事ができる穏やかな曲を選ぶといいですよ。
3.発表会で間違えるのがこわい
間違えないように発表会前は練習を重ねますが、どうしても間違えるものです。
間違えた時によく起こるのが、慌ててしまって間違えた後にさらに間違え、止まってしまうパターンです。
ピアニストであっても間違えます。人間ですもの。でも、間違えのない完璧な演奏が聴きたいのであれば、CDを聞いたり、自動演奏を聞いたりした方が確実です。
でも、発表会の良いところは、目の前で弾いてくれて、響きを身体で感じられること、弾いているところを見られる事、その人の個性を感じる事なのです。
間違えない方がもちろんいいですが、それ以上に生の演奏で演奏時間を楽しみ、良い表情で弾く事が大切です。
なので、間違える事に不安を感じるというマイナス思考を持たず、「出来るだけ与えられた時間を楽しむにはどうしたらいいかな」、とプラスに考えられるようにしましょう。
間違えても落ち込む事はないです。必ず有り得る事と割り切って、次をどう聴かせようかと前向きに持っていきましょう。
音楽は時間と共に流れる芸術です。過去を変える事は出来ませんので、次起こるであろう(未来を)音を工夫していくように、スイッチを切り替えるようにしましょう。
4.弾く前と弾いた後のアクション
緊張するためか、礼をしながら座ったり、礼をしながら帰ったり、弾き終わりながら、椅子から立ってしまったりする方がいます。
挨拶はきちんとしましょう。当たり前の事ですが、一度注意してみてください。
ピアニストにとって礼をする時、ピアノに座る時などは、気持ちを整える時間として唯一舞台上で精神統一をするゆとりを感じています。
弾き始めてしまったら整え直す事が出来ません。椅子に座った後も初めの音をイメージしてピアノに向かいます。
慣れていない人は、座ったらすぐに音を出して弾こうとしますが、実はここにも違いがあったのですね。また、弾き終わった後も最後の音が、綺麗に消えるまで責任を持ちます。
音が消えても曲の余韻がまだ心の中に残っています。慌てて立ってしまうと、聴いてくれている人たちの余韻を自分で崩してしまう事になります。
最後の最後まで立ち振る舞いを良くする事で、発表会を成功させる事に大きく近づけます。
落ち着いて、一つ一つを行う事を心がけてください。
まとめ
いかがでしたか?発表会の成功のコツの一部をお話ししました。発表会の時間を楽しむように、気持ちを切り替えていけるとより良いですよ。
また機会があれば、発表会中の演奏者の気持ちや、練習期間中のコツなどを詳しくお話ししますね。