今回は初心者のためのオペラの練習法を分かりやすく書いていきます。
声楽を習い始める時どうしても乗り越えないといけない最初の壁は、「語学」です。もちろん日本語の曲もありますが、本場のイタリア語やドイツ語で歌いたいですよね。
まず語学の視点から分かりやすく簡単にお話しします。
オペラの練習法 | イタリア語
ありがたい事にほとんどがローマ字読みでいいですが、RとLの違い、BとVの違いをはっきりさせたりします。
Rは舌を巻きます。具体的に言うと舌が口の中で3回ほど震えるような感じです。
それに対してLは、日本語のラリルレロに似ています。
Vを発音する時は、上の歯で少し下唇を噛み雑音を出すようなイメージです。
それに対してBは、日本語のバビブベボとほぼ同じです。
イタリア語独特の長母音のアクセントが、そのままメロディーが付きリズムになっています。音符が二分音符だから伸ばすのではなく、イタリア語のアクセントが長い部分を伸ばしているのです。少しイメージがしにくいかもしれませんね。例をあげてみます。
有名なモーツァルト作曲「フィガロの結婚より 恋とはどんなものかしら」の歌い出しを見てみます。音楽を思い浮かべながら読んでみてくださいね。
Voi che sapete che cosa è amor
ヴォイ ケ サペーテ ケ コーザ エ アモール
いかがですが?メロディーを入れて読んでみてください。イタリア語の発音そのままに音程が付いているのを分かっていただけたでしょうか?
まず、音程をつけて歌う前に歌詞を読み、舌を慣らしてから歌うと譜読みの時に言葉が入りやすく、すんなりと練習が進みます。
オペラの練習法 | ドイツ語
語尾に付く子音をしっかりと出すことが、上達の第一歩です。ドイツ語は独特な硬さを持ち、イタリア人も「ドイツ語って堅苦しいよね。軍隊さんみたい」なんてからかっているのをよく耳にします。
しかし、その硬さこそが魅力です。ドイツリート(ドイツ歌曲)はドイツ人の国民性からか、繊細なものが多くメロディーがとても美しいです。その中で綺麗に子音を響かせることで、なんとも言えない緊張感を出すことができます。
日本人にとってはこの子音を飛ばすのが難しいので、しっかりと練習が必要です。多少唾が飛んでしまうのは…仕方がないです!
よく出てくる子音 st が語尾に着いた時は、歯の隙間からスーと息を漏らしてからトゥッと舌を上の歯の裏で弾いた音を飛ばします。この二つを瞬時にします。あとは、ウムラウトと言われ「¨」です。öüなどです。
これが出てきたらしっかり発音してください。
Öは、オとエの間の音です。オの口をしてエと言います。
Üは、ウとエの間の音です。ウの口をしてエをいいます。
はじめは難しいのですが、コツを掴むとすぐにできますのでチャレンジしてみてくださいね。
Jaは、ジャと読むのではなく「ヤ」となります。ですので、Japan はドイツ語では「ヤーパン」といいます。
まとめ
イタリア語は、長母音と短母音を読み込みRの発音をしっかりして、メロディーのラインを流れるように情熱的に歌うと曲が仕上がります。
ドイツ語は子音を飛ばして緊張感を出し、きっちりと引き締めます。
イタリアとドイツは隣同士の国ですが、こんなにも言葉が違うのですね。海外の歌を歌う時は、しっかり言葉の意味を理解して歌うことが必要です。
例えばvoglio morire ! 「ヴォッリオ モリーレ」と言っているのに、笑いながら歌っていたとします。言葉の意味が分からなかったら何が変なのか分かりませんが、真面目にオペラを歌っていて「死にたいー」と笑顔で言っていたら、イタリア語の意味を知っている人が見たら「どうして嬉しそうに言ってるんだろう」と思います。言葉の意味を理解しながら歌うことが、表現につながります。
全ての意味を覚えることは難しいのですが、大切な言葉「あなた」「愛」「苦しみ」「神様」などを抑えることから始めてください。歌詞全体のキーワードを抑えて、そのキーワードに印をつけるのも一つの方法です。