高い音を出す時ってしんどいですよね。しかし、トレーニング次第で今よりも高い音で歌えるようになります。
現在、私はオペラ歌手をしていますが、ソプラノの中でも特に音域の高いレッジェーロソプラノという声域です。歌い始めた時からそうだったわけではなく、初めはみなさんと同じようにト音記号の5線譜の一番上の「ソ」がしんどかったのを覚えています。
その時から考えると、今は1オクターブほど上まで出るようになりました。
もう1オクターブ上までは難しくても、ソプラノであれば高い「ド」が出ると気持ちが良いですし、テノールであれば、高い「ラ」が出るとレパートリーも増えます。
今回は、高音を発声するためのトレーニング方法をお伝えしていきます。
1.自分の声域を知ろう
まず知っておいた方が良いことは、ソプラノの人がアルトの歌を歌おうとしても歌えませんし、アルトの人がソプラノの歌を歌うこともできないということです。
まず自分の声が、どの声域かをはっきりと理解して選曲をしてください。あまり無理をして低すぎる曲や高すぎる曲を選ぶと、喉を痛めてしまったり悪い癖がついてしまいます。初心者の人には、歌曲で中声用という楽譜を選ぶようにお勧めします。
2.出しにくい高い音を出す時に注意すること
出しにくい音は、出やすい音と何が違うのかを確認してみましょう。
口の中の軟口蓋は上がっていますか?身体が緊張していませんか?「高い音だから無理!」と心の中で思っていませんか?「出せる!」と前向きになってください。おしりはダラリとしていませんか?
まずは、これらの事を確認してみてください。1つでも当てはまるものがあれば、声は出なくなります。高い音を出す時は、身体の緊張を和らげながら口の中を高くあけてください。次の項目で詳しく解説します。
3.高音を出す時の身体
頭の先は、頭の1番てっぺんから糸が出ていて上に引っ張るようなイメージを持ちます。そして、それに引っ張られないように膝を少し緩めて、しっかりと地面をつかむような感じで立ちます。
口の中は、高くあけます。それを補うために眉毛を少し上げます。少し鼻の中が広くなるのを感じると思います。
上に引っ張ることばかりを意識していると「支え」を失います。歌をしている人なら、「支え」という言葉を聞いたことがあると思いますが、明確に分かる人は少ないかと思います。
さて、ここからが問題です。今からお伝えすることは、あまり美しくないのですが、高い音を出すのに避けることができないので、どうしても書かなくてはなりません。(笑)
先ほど言っていた「支え」ですが、実はお手洗いをする時に少し踏ん張るようなイメージなのです。こうする事で、下腹部の筋肉に力が入ってグッと支えを引っ張ってくれます。
高い音の時は、頭の先を上に引っ張りながら、グッと下に引っ張ることを同時にします。それに加えて息を遠くに飛ばして、的をめがけて吹き矢を飛ばすようなイメージです。
高い音になればなるほど、的が小さくなっていくようなイメージです。あなたの快適に感じる的を探さなくてはいけません。声が散っていると的に当たりにくいので、声をまとめるようにしてください。
小学生の時、虫眼鏡で日光を集め、焦点を合わせて紙を焦がす実験をした人もいると思います。声をしっかりと焦点を合わせて集めることで、まるで焦点の合った虫眼鏡の光のように、ピンと張った力強い高音を手に入れることができます。
声を集める感覚を掴むことは難しいですが、イメージとしては上の前歯2本に声を当てて歌うような感じです。口の中を色々と変えてみて、声が集まる感覚を覚えなくてはいけません。
まとめ
歌う時は色々なイメージを持つことが大切です。身体の中は誰も見ることができませんし、自分でも口の中がどうなっているか分かりません。
なので、色々と試行錯誤をしながら、声を高い音を出すための身体作りをしていく必要があります。