カラオケの採点基準の一つに、『抑揚』というものがあります。
『抑揚』は表現力をつけるために必要なものであり、カラオケで高得点を出すためにも身につけるべきテクニックとなります。
今回はその『抑揚』のつけ方と、その練習方法をご紹介します。
抑揚をつける方法
抑揚をつける方法は二つあります。
一つは、「声の調子を変えること」です。
普段友達と話す時と、仕事場などかしこまった場で話す時では、声の調子が違うはずです。おそらく前者での声の調子の方が高いのではないでしょうか。これを歌う中で使うことが、「声の調子を変えること」になります。
例えば、歌の最初は暗い声で歌って、サビに入ったら明るい声で歌う、といった方法です。「声の質を変える」という言い方をしてもいいでしょう。しかし、これは意識しても初めは難しいと思います。
そこで二つ目の方法、「声に強弱をつける」をおすすめします。
これはいたって単純で、最初は小さく歌い、後半は大きく歌うといった方法です。声の大きさであれば、意識すればすぐに調節できるでしょう。
抑揚をつける練習方法
まずは曲のフレーズごとに、声の大きさを決めましょう。
例えばAメロ、Bメロは小さく歌い、サビは大きく歌うといった構成です。最初は大げさに感じるくらい強弱をつけた方が取り組みやすいと思います。そして慣れてきたら、その強弱をつける場所を細かくしましょう。
Aメロはとても小さく、Bメロは小さく、サビは大きく、ラストのサビはもっと大きく、といった構成です。
このように段々強くしていくことを、「クレシェンド」といいます。逆に段々弱くしていくことを「デクレシェンド」といいます。この二つを歌の中で取り入れることができれば、一気に表現力もあがるでしょう。
意識すべき箇所を増やすことで、おのずと強弱のつけ方も上手くなっていきます。
練習曲として選ぶポイント
1.リズムが単純な曲
バラードなどゆっくりした曲は、リズムは一定のものが多いです。しかし、アップテンポな曲だとリズムが早かったり、途中で変わったりします。これだと歌いきるだけで大変で、抑揚をつけるほどの余裕がなくなってしまいます。
特に歌い慣れていないと、走って歌ってしまい、リズムに乗ること自体ができなくなってしまいます。なので、練習曲にはバラード曲がおすすめです。
1メロごとに息継ぎなど準備がしやすい間が入っているので、次のメロディーをどのくらいの大きさで歌うのか、意識する時間が取れるのも利点です。
しっかり息を吸うことは歌う上で必要不可欠ですが、声の大きさを変えるのであれば、尚更意識する必要があります。
2.音程の上がり下がりが激しくない曲
練習曲としてバラードを勧めましたが、気を付けなければならないのは、音程の上がり下がり具合です。ある程度の高音は大きな声で歌いやすいのですが、例えばサビで急に音程が上がるものだと、その音を出すだけで苦労するので抑揚がつけにくくなります。
特にバラードだと、ラストのサビでさらに音程があがる傾向のものが多いです。理想的な曲は、段々音程が上がっていく曲です。クレシェンドとデクレシェンドがしっかり使える曲を選ぶこと、自分が歌いやすい音程の曲を選ぶことも大切です。
3.自分が好きな曲
今まで説明してきたことを否定するような内容になってしまいますが、自分の好きな曲であれば歌えるようになるために頑張れますし、抑揚をつける練習も楽しくなるでしょう。
なので、練習曲を探すときは、好きで歌いやすい曲の中から、上記で挙げたポイントが入ったものを選ぶようにしましょう。しかし、そうはいっても、自分の好きな曲に、上記のポイントがうまく当てはまっているものがあるとは限りません。
好きだけど音程が高い。リズムが早いなど、何かしら欠点が出てきてしまいます。そういうときは、その曲で練習するための工夫を施しましょう。音程が高いなら、キーを下げて歌い、リズムが早いなら、少し落として練習してみましょう。
カラオケにあるリモコンや曲を入れるタッチパネルで、どちらも可能です。それでも難しい、歌いにくい場合は、一番だけ、一フレーズだけ歌うというのも選択の一つです。無理に一曲まるごと歌う必要はありません。
リモコンとタッチパネルに『始めから歌いなおすボタン』や『巻き戻しボタン』があるので、これも可能かと思います。
まとめ
抑揚は表現をつけるテクニックの一つです。一見、身につけるのにハードルが高く感じられますが、意識するポイントとしっかり押さえ、練習に選ぶ曲の基準を整理することで目標が立てやすくなり、取り組みやすくなります。
また、実際に歌って練習してみると、思っていたよりも難しく、うまくいかないこともあるかと思います。他の曲に変えてみるもの選択の一つですが、キーやリズムの変更など、練習曲として歌うための工夫も考えてみましょう。
抑揚を身につけ、より表現力のある歌い方ができるように頑張りましょう。