腹式呼吸をする時のコツをわかりやすくお伝えしていきます。
はじめは難しく感じますが、ゆっくりと身につけていきましょう。
また、あまり長い時間腹式呼吸の練習をすると、酸素をとり過ぎてめまいなどを起こすこともあるので、無理なくゆっくりと行ってくださいね。
1.腹式呼吸をマスターするためには?
では、まず腹式呼吸とはどのように行ったら良いのでしょうか。
女性は胸式呼吸の方が多く、男性は比較的、腹式呼吸の方が多いと言われています。
息を吸う時に肩を上げないで、できるだけおなかを意識するようにしてください。息を鼻でゆっくりと5秒ほどかけて吸います。その時におなかを同時に膨らませていきます。
そして、おなかの深くまで息が入っていくことを感じます。実際は、息は肺に入るのですが、横隔膜を下げることの感覚を少しずつ意識していきます。
その時におなかが、風船に息を入れている時のように膨らんでいくのを意識しましょう。
そして、限界まで息が入ったらゆっくりとゆっくりと口から息をはいていきます。ろうそくを吹く時のような口にして少しずつ息を出していきますが、この時におなかが一気に小さくならないように気をつけてください。
できるだけおなかをキープしてください。息が少なくなると、おなかは自然と小さくなりますが、急に小さくなるとおなかの筋肉の緊張を一気に緩めてしまうことになります。
おなかをできるだけキープすることは、次の息を吸う時の準備をしていることになるので、横隔膜が下がりやすくなります。
2.おなかをキープする感覚がわからない人は?
オペラ歌手を目指す人や本格的にボイストレーニングをする人は、おなかの力を意識するために、太いゴムをおへその高さに1周巻いて(少し抵抗があるくらいの強さ)、息を吸うと同時にそのゴムを引き伸ばすようにします。
そして、息をはいていく時に、できるだけゴムが縮もうとする力に反発をしながら、おなかをキープさせます。
太いゴムがない方は、おへそのあたりで両手をグーにして親指で少しおなかを押します。そのまま息を吸って、おなかでその親指を外に押し出すようにします。
3.腹式呼吸は背中も膨らます
腹式呼吸は、おなかだけでなく背中も同じように膨らまします。イメージとしては、身体を四方八方にグーと広げて、たるの様になる感じです。
背中も同じように息を吸うときに膨らませ、息をはく時にキープするように心がけてください。
よく、初めての人は腹式呼吸をすると、おなかは頑張って動いていますが背中が止まったままの人を見かけますので、上半身を前後共に動かすような意識を持ってください。
息を吸う作業は思っている以上に大変なことです。また、この吸った息が歌という楽器になりますので、より効果的に、効率的に息を吸わなければなりません。
4.息の吸い方
普段無意識に吸っている時は、鼻で息を吸って鼻ではいています。しかし、腹式呼吸の時は、鼻で息を吸って、口ではきます。
鼻で息を吸う時のポイントですが、良い香りを吸うようなイメージで行ってください。良い香りを感じたい時、自然と鼻腔をひらき深く息を吸います。こうすることで、息がいつもより高いところまで届くような感覚になります。
わからない時は、実際に良い香りを吸ってみてください。その時の息の吸い方や、おでこの辺りや眉毛が少し上がっているような感じを持てると、さらに良いです。
腹式呼吸の息の吸い方は「うーーん。いい香り」です。
5.息のはき方
口をすぼめて、ゆっくりと遠くのろうそくを消すようなイメージを持ってください。息を出す量が、多くなったり少なくなったりと、不規則にならないよう常に一定にします。
片手の人差し指を立てて、前に腕を伸ばし、ろうそくに見立てて息を吹いていくのも1つの方法です。それに慣れてきたら、3mほど遠くにろうそくがあると仮定して、その火を消すようなイメージで行っていきます。そして、徐々に標的を遠くしていきます。
大切なのは、息のはく速さや量ではなく、視野を広げていくことで声も不思議と同じように広がっていきます。
まとめ
いかがでしたか?結構疲れませんか?疲れていたら、しっかり腹式呼吸ができている証拠です。それを毎日続けて、身体で覚えていくようにしてください。
腹式呼吸をすることで、おなか周りの筋肉を鍛え、筋トレにもなり、脂肪燃焼につながります。
また、しっかりと呼吸をすることによって、リラックス効果や健康、美容などにも良い効果があり、たくさんのメリットがあります。
歌を歌うことは、とても身体にとって効果的なんですよ。初めは腹式呼吸が難しく感じるかもしれませんが、慣れるまでゆっくりと行い、しっかりとしたイメージを持って始めると良いです。