ピアノの発表会で演奏する事は緊張しますし、楽譜を見ずに弾く事は難しいですよね。
「楽譜をきちんと覚えれているかな・・・」などの心配事があると、舞台に立った時に大きな不安要素になる事があります。
どの様に練習すると自信を持てるでしょうか?今回は、そんな緊張する発表会の場でも、しっかりと演奏できるための秘訣をお伝えしていきます。
暗譜をする時にあまり思い詰めすぎない
暗譜をする事は難しく、よく「どうしたら覚える事ができるのですか?」と質問される事があります。
イメージとしては、まずメロディーを覚えていくのですが、楽譜を映像として覚えるというより、身体の感覚で覚えていく感じです。
メロディーを覚える事は簡単ですが、細かい音を覚える事は難しいと思います。まず、一度間違えた音を覚え直す事はとても時間がかかるので、譜読みを丁寧に間違えない様にします。
一つずつ身体で覚えていくのですが、身体で覚える為には何回も何回も弾く事が必要です。メロディーを覚える時に、強弱記号やテンポなどの指示もしっかりイメージをして一緒につけていきましょう。
暗譜で弾いていて途中で頭が真っ白になった時
慌てなくて大丈夫です。もう一度弾き直せるところから弾けばいいのです。慌てて間違えたところから弾き直そうとすると、同じ所で止まってしまったりします。キリのいい所まで戻り、もう一度調子を立て直します。
そして、発表会はコンクールとは違い、間違えたから失格なんて事はありません。普段の練習から、譜面を外して練習をして止まったら、キリのいい所から戻り、弾きなおす練習をしておくと万が一の時に役に立ちます。
普段の練習の時から慣れておくといいです。
発表会を緊張しないように気持ちを持っていく
たくさんの人前で演奏する事は毎回緊張しますし、自然なことです。しかし、あまりにも緊張しすぎてしまって、大きな失敗をしてしまう事になります。
もし失敗したとしても、恥ずかしい思いをしたり、後悔をすることはありません。発表会は、目標を持って練習をして練習の成果を確認する為にあります。
発表会があるから練習を頑張れる方もいます。まず、発表会という時間を楽しめる様にしていきましょう。失敗しても大丈夫です。
生徒さんによく言うのですが、完璧な演奏を聴くなら、この時代インターネットで聴いたり、CDを聞いたりできます。しかし、やっぱり生の演奏がいいのは、そこに上達した成果があったり、その人が一生懸命弾く姿に心打たれるからです。
音楽は芸術です。音は時間とともに流れる芸術で、一度弾いた音を消して弾き直すことができない時間の芸術なのです。
間違えた事もその時にしか出来ない芸術だと思うと、少し気持ちが楽になりませんか?最後まで弾ききる気持ちが、音楽の音に反映して心を動かされるのです。
発表会は、練習の達成感を感じる場でもあり、楽しむ場所だということを忘れないでくださいね。
まとめ
発表会を楽しむ為に気持ちを前向きに持っていくこと、練習を重ねる事が大切です。練習している時から間違える事も想定しておいて、間違えた時の対処の仕方も練習しておきましょう。
真面目なピアノの先生であれば、「間違えない様に練習をすればいい」とおっしゃる方もいますが、間違える事だってありますよね。人間ですもの。
以前、音大の学期末のテストで、頭が真っ白になってしまったお友達がいます。ショパンのエチュードを3曲弾かなければならなかったのですが、課題曲が全てショパンエチュードなので何曲も何曲も聞いていると、自分がどの曲を弾いているのか混乱してしまう事があるのです。
なぜなら、全ての曲を猛練習して、そのうち一番自分に合っている曲を数曲選曲するからです。お友達が弾き始めた時、審査員の先生方と、同じ試験室で待っている音大生達みんなが、「あれ?」という反応をしました。
そのお友達は、前の生徒が弾いたショパンエチュードの調をそのままもらい、他のショパンエチュードを移調して間違える事なく自信満々で弾ききったからです。
もちろん、調を間違えて弾いてしまったので100点ではありませんでしたが、先生方のコメントは良い評価でした。
緊張して頭が真っ白になり間違えた時でも、間違えさえも成功に思わせるほどの自信満々な演奏をする事が、成功のコツかもしれません。