ピアノを思いのままに演奏する事が生きがいや趣味であるという方にとって、周囲への騒音を気にしながら演奏するのはストレス要因になってしまいますし、心から楽しむ事ができなくなってしまいます。
練習時に躊躇しながら弾いていると弾き方に悪い癖が付いてしまい、広いホールなどで演奏する時にパフォーマンスが発揮できなくなったり、能力を最大限まで高める事ができずテクニックに伸び悩んでしまう恐れもあります。
より一層高い能力を得るためにも、レッスンスタジオやホールのように周囲の事を気にせずに練習する事が重要であり、そのためには特に長い時間練習に励む自宅の環境を見直すべきです。
最も高い防音性を実現させられる方法として挙げられるのが自宅内の一室を防音室にする事であり、その効果の高さから音楽教室を開いたりグランドピアノを導入して演奏しても問題が無い程です。
実際にプロピアニストの方々は自宅の一室を防音室にしており、既に防音室がある物件に絞って引越しをする方法の他に既存の住宅の一室を後から工事する事もあります。
全ての住宅設備やリフォーム業の企業が対応しているわけではないので専門業者に依頼する事になりますが、既存の壁や天井を取り外し遮音性能に長けている専用の壁と天井を設置して頂けます。
最も効果が高い一方で要する費用が高いというのも特徴で6畳間でおよそ300万円が平均相場になっており、床面にも着手し徹底的に工事を行う場合はより一層高額になりますし、地域柄あまり工事の実例が無いといった場合には都市部などに比べ請求額が高くなる場合もあります。
また、遮音性を高める工事とは言っても一室を丸々作り変えると言っても過言ではない作業になるので、要する期間も長めで平均的に12日間の工事期間が必要になります。
およそ半月間住宅内に業者がひっきりなしに出入りしたり大掛かりな作業を続ける様子になるので、スケジュールやできるだけ負担がない時期を考慮し、業者と綿密な打ち合わせを経た上で着手して頂きましょう。
そのような大掛かりな作業に抵抗感があったり、賃貸物件などで住居内の一室に手を加える事ができないといった事例では、まるで電話ボックスのように見える防音室を導入する方法が最適です。
一台のピアノと一人の演奏者が入れるだけの小さなスペースなのですが、組み立て式なので大掛かりな工事は不要ですし組み立てに際しても1日で完成させられます。
今日においては日本の住宅環境との相性が最も優れているという事も相まって個室型のブースの需要が高く、最もスタンダードな対策方法として選ばれているので、ピアノをはじめとする様々な楽器を販売しているメーカーもブースの研究開発を行いリリースしている程です。
ブースは手軽に導入できる利点があるものの、注意しなくてはならないのが重量についてであり、各社により差異がありますが比較的軽量なタイプでも200キログラム以上あるので、マンションなどの賃貸物件などでは許可されている重量制限を上回ってしまう可能性が高いですし、戸建住宅でも一部分的に重量が生じると床が抜ける恐れがあるので、導入に際しては重量についてもチェックするようにしましょう。
そのように重量の関係上ブースが導入できなかったり、既に周囲に民家が無いといった環境下で生活しているのなら簡易的な防音アイテムを取り入れて対策を施します。
音が響き渡ってしまう要因は物にぶつかる事なので天井と壁面、床や窓に対して吸音材を設置しピアノの音色が跳ね返らないようにすると、簡単な作業であるのに驚くほど静かにさせられます。
さらに、できるだけ室内に多くの洋服をハンガーでかけたり厚手のカーテンを使うといった事でも、はっきりとピアノの遮音性が高まっている事がわかるようになります。