ピアノは子供が習う習い事というイメージが強く持たれている楽器ですが、近年では大人になってから習い始める方が増加傾向にあり、ニーズの高まりを受けて音楽教室においても、大人を専門に指導するコースが展開されるといった変化が起きています。
しかも受講生の年齢は年々向上しており、今日では60歳を過ぎてから習い始める方を対象にしたシニア向けのプランも人気を博しているほどです。
そのように、これまでとは受講生の年齢層に変化が生じてきているのは、脳科学の観点からピアノが脳を活性化させるために著しく高い効果を発揮させられるという事実が導き出されたためです。
人間の脳というのは行動をしている時に活発になるのですが、行動の内容により活発化する部位が異なり全体的に活発になるという事はありません。
しかし音楽を耳にしている時だけは例外であり、どのような行動をしても起こす事ができない程広範囲にわたって活性化し、尚且つ自身が指や腕を動かして楽器演奏を行っている時は激しく大量の情報を処理している上に、活発化する事は極めて稀で意識的に活発化させる事は非常に困難な左脳と右脳を結び付けている脳梁でさえも活発化させられます。
脳に刺激が加えられると処理能力が迅速になる上に、記憶力も向上するのでビジネス面や私生活で人の名前が覚えられなかったり、咄嗟に相手先の名前を口に出す事ができないという悩みを抱えている方は、ピアノ演奏を趣味にする事で物忘れが激しくなったり物覚えが悪くなったという悩みが解決できます。
また、ピアノの鍵盤に触れて音を出していると脳内にはドーパミンというホルモンが多量に分泌される事も判明しており、加齢により自然に減少してしまうドーパミンの量を取り戻し、若い頃のように多幸感に満ちた毎日が送れます。
そして、世の中には膨大な数の音楽作品が存在しており、それぞれ作風が異なる様子だからこそ、その時の気分に合わせて最適な楽曲に耳を傾けて楽しめます。
穏やか曲調やアクティブな様子の曲調など、同じ楽器を使用していても生み出される曲調は様々ですが、どのような曲調でも共通しているのはその時の気分に合っている音楽を聴いていると、一時の癒しが感じられるという事です。
実は楽器を演奏すると自分の指の動きに合わせて心地良い音が鳴り響くので、優しい音色による癒し効果と共に自身に主導権があるという心理になり、充足感が得られるきっかけにもなります。
人間は生活をしていれば、より良い毎日を送るべく工夫をしていても外部からの刺激により怒りを覚えたり悲しい気持ちになってしまいますが、心がささくれ立っている時に鍵盤に指を置き思い思いに演奏していると情緒が安定してきます。
音楽教室に大人の受講生が相次いでいるのは現代がストレス社会である事も関係しており、ピアノに触れて演奏をしていれば気持ちが落ち着き癒やしが得られるため、自分の好きな楽曲が弾けるようになればさらに癒し効果を高められると考え受講しているという方も多いです。
初心者の場合はいきなり曲を演奏する事はできないので、最初のうちは鍵盤を一つずつ指で押し単音を耳にして癒しを感じていても良いですが、やはり自分の気持ちに則って現在の気持ちに素直になり、臨機応変に演奏する曲が変えられた方が楽しいものです。
そこで、できるだけ上達するためには現時点での自分自身の実力では若干難しく感じてしまう曲を選ぶようにし、複雑なテクニックやフィーリングを要する場面があったとしても忠実に再現できるようにしましょう。
そのためには毎回ミスをしてしまう部分をそのままにせず、ピンポイント的に何度も繰り返し練習を繰り返していけば、弾けるようになった時に達成感がありますし、複雑な箇所だからこそクォリティも高められます。