以前から野球やサッカー、バレーボール、バスケットボールなどスポーツの選手や部活を題材としたアニメはありましたが、趣味的なものでバンドを組むというものはありましたが吹奏楽を題材にしたアニメはありませんでした。
野球部やサッカー部のストーリーと同じように、吹奏楽に一生懸命に取り組む高校生たちが主人公となった小説「響け!ユーフォニアム」が2013年12月に刊行され、2015年4月にはテレビアニメになりました。
作者は武田綾乃で宝島社から出版されたものです。
1作目は「響けユーフォニアム北宇治高校吹奏楽部へようこそ」です。
過去には全国大会にも出場した高校ですが、顧問が変わってからは関西大会にも出場できていませんでした。
そこへ新しい顧問が赴任して厳しい指導を行う中、生徒たちの中に部下を辞める人が出てきたり、ソロ争いをするなどいろいろなことがありながらも着実に成長していく様子が書かれたものです。
2作目「いちばん暑い夏」は、関西大会に出場し全国大会に向けて練習に励むところに、やめた女子生徒が復帰したいと戻ってくることで受け入れるかどうかでもめてしまい、復帰できるかどうかというストーリーです。
3作目「最大の危機」は全国大会に向けて猛練習が続き盛り上がってきたころ、部のかなめとなる副部長がやめると言いだしました。
理由は受験のために母親からやめるように言われたということですが、楽器に対して複雑な何かがあったというストーリーです。
初の短編集「北宇治高校吹奏楽部のヒミツの話」はやめていった部員の本当の理由がわかる話や、ある女子部員が男子部員を好きになったきっかけや結末がかかれている話や、男子部員が女子部員に告白するなどのラブストーリが短編で描かれています。
これらのストーリーは、流されやすい自分を変えたいという思いを持って高校に入学したものの、結局友達に流されて吹奏楽部に入部をしユーフォニアムと出会うことになった高校1年生の久美子を主人公に、同級生でトランペット担当のれいな、同じく同級生でチューバ担当の葉月、コントラバス担当の緑輝、トロンボーン担当の男子部員秀一たちと先輩たちが登場します。
「ようこそ」シリーズは3まで、「いちばん暑い夏」は2まで、「最大の機器」も2まであり、その後の様子が描かれています。
久美子が高校2年生となり、後輩も入部してきた後のストーリーも「波乱の第二章」ということで新しく刊行されています。
そして「立華高校マーチングバンドへようこそ」の前編と後編もあります。
マーチングバンドに憧れ立華高校に入学した佐々木梓が主人公が厳しい練習をしながら先輩たちからの叱責を受けるなど強豪校としての洗礼を受けます。
楽器を演奏しながら動くということの難しさを痛感しながらも練習に打ち込み、コンクールに向けて頑張っていましたが、目前にアクシデントが起こるというストーリーです。
それぞれのストーリーの中で「ダッタン人の踊り」「イーストコーストの風景」「コパカバーナ」「シングシングシング」などの音楽を聞くこともできます。
作者の武田綾乃自身も京都府宇治市出身で、小中学校時代に焼く5年間吹奏楽部に所属をしていました。
その体験と佐賀の高校のクラブに取材を行いながら「響け!ユーフォニアム」という作品ができました。
アニメ化は京都アニメーションが手掛けBSで放送されました。
練習熱心ではなかった部員たちですが、受験や恋、部員たちとぶつかり合い、親とのぶつかり合いなどいろいろなこと経験しながら全国大会を目指して頑張っていくストーリーです。
アニメの作画は京都に住んだことがあり、学生時代には部活でトロンボーンをふいていた経験のあるとこのことです。