吹奏楽といえば、多くの人が様々な楽器を使って演奏することが魅力です。
一人でピアノ演奏するのとは異なり、集団で演奏するため、スポーツの野球やサッカーなどと同じような意識が必要になります。
そのため、文化部の体育会系と呼ばれているほどです。
本格的に吹奏楽にかかわることができるのは中学生の時です。
もちろん小学校の時に集団で演奏したかもしれませんが、様々な楽器を使ったわけではありません。
やはり中学校に入ってそこに吹奏楽部があれば、そこが初体験の場所となるでしょう。
部活に入ってわかるのは、非常に練習が厳しいことです。
文化部の割には練習時間が長く、ほかの文化部が夕方の5時ごろには帰宅するのに、なぜか吹奏楽部だけは夜の7時ぐらいまで練習していることがあります。
大会が近ければ夜の8時ぐらいまで練習していることも決して珍しくありません。
なぜそれほど練習をするかといえば、集団でおこなうからです。
プロですらかなりの量を練習するのに、素人が練習なしでは全く上達しないのがわかるでしょう。
プロといわれる人でも、一生のうち1万時間ほど練習するとされています。
そのため、部活の練習でも1日3時間から4時間は練習しないとなかなか上達するようになりません。
練習をする時のポイント
練習をする時のポイントは、最初の段階であきらめないことです。
初めて楽器を触る場合には、まず演奏するよりも前に基本的なことを学ばなければなりません。
本格的に音を奏でることができるようになるのは数カ月の時間がかかるでしょう。
さらに、それを全体で合わせて一つの音楽にする場合には1年かそれ以上の時間がかかります。
学生の場合であれば、1年おきに生徒が変わっていきますので、波が出てきてしまいます。
ずっと同じメンバーで演奏し続けるのであればそれほど難しくありませんが、
1年おきにうまくなった生徒が卒業していき、全く楽器を触ったことがないようなメンバーがぞろぞろとはいってきて、
楽器のイロハを学び、演奏し、ますので時間がかかるのは仕方ないです。
集団で演奏していると、必ず上手な人とそうでない人に分かれます。
上手な人にレベルを合わせることができればよいですが、なかなか現実には均一に音色が整いません。
もう少し具体的にいえば、音の強弱にもばらつきが出てきます。
例えば一つの楽器を利用する場合でも、やせた貧弱な音を出す人もいれば、力強い音を出す人もいます。
一方で音にも低温と高音がありますが、低温がこもって重たい音を出す人もいる一方で、高温が高く響き渡り耳障りな音を出す人もいます。
また一人一人を見てみると、音のミスしている人やフレーズがばらばらになっている人がいるでしょう。
音の最後だけが小さくなってしまう人や、長く一定の音を出そうとしても、音に強弱が出てしまい、不安定な音になることもあります。
それらを一つ一つ改善していくためには、一人一人がどのような弱点をもっているかを認識することが重要になります。
そうするとよほど音楽に長けている生徒をみつけるか、音楽の先生に頼って音のばらつきを修正してもらうしかありません。
自分の弱点がわかれば、その部分を徹底して直していきます。
一人一人が良い段階になれば全体練習をしてみると良いでしょう。
ただし、一人の練習の場合、自分の音色を確認できますが、集団になると自分の音がほかの人の音と混ざってしまい、どのような音を出しているのか分からなくなることがあります。
そうすると、少しぐらい外れていても気がつかない人はまったく気がつかないで演奏が進んでいくことになるでしょう。
音を統合するためには一人一人のチューニングを大事にしましょう。
いわゆるチューニングリレーをすることでその人の欠点がわかるようになります。
そういった形の集団練習をすると、今まで気がつかなかった部分に目を向けることができるようになります。
部活では必ず人間関係の問題点も出てきます。
それは、グループの中で一人だけ音を外している人がいれば、その人の陰口を言ったり、顧問に対してあの生徒を外してほしいというものです。
本人も自覚していない場合がありますので、本人に音が外れている旨述べることは決して悪いことではありません。
ですが必要以上に個人の性格を否定したりすることはよくありません。
100点を取ることは難しいですが、全く妥協しないのも周りが疲れてしまうでしょう。
まずは本人に自覚をしてもらい、修正をしてもらいながら合わせてもらうことが重要です。
そのために顧問は個人レッスンなどを重ねていく必要があるでしょう。
また必ず部の中には、音楽の才能がある生徒が一人ぐらいがいるものです。
その生徒に指示を受けながら正しい音のチューニングができるように練習をするとよいでしょう。
これを繰り返していくことで、80点が85点になり、やがて90点になっていき、完成度の高い演奏ができるでしょう。