日本では昔から吹奏楽の人気が高いです。
吹奏楽とは管楽器を主体とした音楽ですが、コントラバスや打楽器なども編成に含まれています。
現在では電子楽器が加わることもあります。
学生やアマチュア吹奏楽団を対象にしたコンクールも多く、特に全日本吹奏楽コンクールは有名です。
楽器の中で人気が高いのがトランペットですが、トランペットは長い歴史を持っています。
音楽の合奏用に利用されるようになったのは17世紀以降です。
当初は自然倍音しか出ない楽器でしたが、19世紀の初頭にバルブ装置が発明されたことで安定した音質が出せるようになります。
バルブとは、息の通り道を切り換えることができる装置です。
管の途中に別の管を増やし分かれ道にバブルを付けます。
バルブをつけることで、演奏をしながら管の長さを簡単に変えることができます。
バルブのおかげで、半音階も演奏できるようになっています。
トランペットは様々なパーツからできています。
唇をふるわせて音を出す楽器ですが、音を実際に出すの金属製のマウスピースです。
マウスピースには様々な形があり、カップが浅いと鋭い音が出てカップが深いとやわらかい音が出ます。
真鍮製や銀製などのマウスピースの中から好きなものを選びますが、同じプレイヤーであっても自分が出したい音色や曲調によって複数のマウスピースを使い分けていることが多いです。
バルブを使って管の長さを変えることで音の高さを変えます。
通常は管が長くなれば音は低くなり、第1バルブを押せば1音下がる仕組みになっています。
第2バルブを押すと半音下がり、第3バルブを押すと1音半下がります。
3本のバルブの組み合わせによって、半音階を全て出すことができます。
1つの音を複数の指使いで出せるのも特徴のひとつです。
バルブにはピストンバルブとロータリーバブルがあります。
ピストンを押せば、息の通り道が長くなります。
ピストンは入れる向きに決まりがあります。
ロータリーバルブは全体に平たくなっています。
右手の3本を使って丸いレバーを押えます。
レバーを押してみると、ロータリーが回転して空気の流れを変えることができます。
押さないと短い管になり、押すと長い管で演奏することになります。
ロータリー式はオーストリアやドイツで盛んで、ピストン式はフランスで人気が高いです。
ロータリー式の場合は、他の管楽器や弦楽器と調和してやわらかい音が出ます。
ピストン式は華やかな音が出るので目立つことができます。
トランペットにはトリガーが付いていますが、このトリガーは楽器を持ちやすくするために付いている訳ではないです。
トリガーは、音程を調整するために付いています。
バルブをただ押せば正しい音が出るわけではないです。
バルブによって多くの音程は作れるものの、微妙な調整が必要となります。
微妙な調整は口やスライドで行います。
トランペットを持つ場合は、左手でしっかりと支えて肩の力を抜いて持ちます。
右手には力を入れず自然な状態で構えることが大事です。
指を使わなくても、息を出す唇の振動によって音が変えられます。
低い音を出したいときは、唇の振動は遅くします。
高い音を出したいときは、細かい振動で音を出すようにします。
音を出す場合は、マウスピースを唇に強く押し付けないように気をつけます。
息の吹き方をマスターしたら音を出してみます。
スムーズに音を出せるようになったら、楽譜を見ながら演奏に挑戦します。
基本の練習を毎日行うことで、美しい音色を出せるようになります。
演奏後は、楽器の表面を軽く拭いて汚れを取ってからケースに保管します。
銀メッキのトランペットの場合は、黒ずみが付くことがありますが、研磨剤を使えばきれいになります。