吹奏楽とはトランペットやトロンボーンなどの金管楽器、クラリネットやフルートなどの木管楽器を総称した吹奏楽器と、ティンパニなどの打楽器で構成された楽団で演奏される音楽のことを言います。
よくブラスバンドやオーケストラと混同されますが、吹奏楽から木管楽器を抜いた編成がブラスバンドで、弦楽器を加えた編成をオーケストラと呼びます。
元々吹奏楽は行進曲を演奏するために編成されたもので、演奏しながら行進するために弦楽器は省かれています。
編成によってことなりますが、およそ10名から100名で編成されることが多く、学校や警察、自衛隊などの楽団が特によく知られています。
吹奏楽で使用する音楽用語は基本的に音楽一般で使われる用語と同じですが、いくつか独特の用語もあります。
まず、ユーフォニウムと言う単語で、これは楽器名ですが主に吹奏楽のみで使用される金管楽器のことです。
音域はトロンボーンとほぼ同じですが、大きさがチューバよりもやや小さいもののチューバとよく似ていることからチューバと一緒にされることが多い楽器で、丸くて柔らかい音を出すことが特徴となっています。
必須音楽用語としてはアウフタクトで、リズムやメロディーが小節の先頭からでは無く2拍目以降から始まることを言います。
アンサンブルは良く聞く単語で、楽団の総合的なハーモニーを指すときに使われることが多いですが、本来は合奏のことを指します。
アンブシュアは管楽器を吹くための唇の形状のことで、これひとつで音が大幅に変わってしまうこともあり、特に複数で構成された管楽器の場合は全員のアンブシュアを同じにしなければならない大変重要なものです。
カデンツァは演奏者が自由にアレンジして自分のテクニックを披露する即興的な部分のことを指しますが、それ相応の技量が必要であるため学生楽団で披露することはあまりありません。
ゲシュトップトはホルンのベル部分に右手を指し込んで演奏することで、音色が暗くなると同時にピッチが半音下がる高度なテクニックを指します。
サウンドスケープと言う用語も使われることが多く、音を意味するサウンドと風景を意味するスケープを合成した造語で「音の風景」を意識しながら演奏するときなどに使用されます。
同じ表現方法としてダイナミックスと言う用語もあり、演奏上における音量の強弱表現のことを指します。
音楽表現や演奏表現において重要な役割を果たす用語です。
楽譜が読めない人のために使うものがタブラチュアで、五線譜では無く文字や数字、記号などを使用して音階を表示させます。
指の押さえ方を見て分かるように記載することで、楽譜が読めなくても演奏することが可能となります。
楽曲の基調となる音の織り合わせ具合を指すテクスチュアと言う用語は、音の組み合わせ方から生じる総合的な印象を形容する場合に使用され、テクスチュアを明るくする、落ち着かせる、などと使用します。
バリエーションも良く使用される用語のひとつで、主題と呼ばれるメロディーを演奏ししますが、一度完全に終止した後にその主題を少しずつ変える変奏を次々に繰り返して演奏する形態のことを指しています。
平均律と言う用語は1オクターブを構成する12の音に対して、隣り合う半音に同じ比率を掛け合わせた音階のことで、音のピッチを合わせる場合や演奏技術向上のための練習で使われることが多い用語のひとつです。
行進するときに使う用語にドレスライトと言う用語があり、これは右に揃えることを表しています。
行進時は基本的に右側のメンバーに揃えてラインを作りますが、チューバなどの大きな楽器は左肩に担ぐため左側が見えなくなってしまうことを防ぐために使用されます。