中学校の吹奏楽部は、文化部の中でも体育会系に近いと言われているのが特徴です。
なぜそのように割れているかといえば、運動部のように練習時間は長く休みが少ないことが理由になります。
中学生の中には、音楽を演奏したいといった理由でよく現状を知らずに吹奏学部を選んでしまう人もいますが、単に部員がほしいからと言う理由で、ハードなことを説明しないのではなく、事前にそれだけの練習をするので覚悟はあるか聞いた方がよいでしょう。
そうでないと、途中で退部者が続出してしまい、収拾がつかなくなります。
吹奏楽部の中でも学校によってそれぞれ違う目標を持っていますが、多くの学校は、まず地区大会のコンクールで優勝することを目指すでしょう。
地区大会のコンクールの中で第二位を狙っているような学校はまず少なく、生徒のモチベーションもなかなか上がりません。
ただ、優勝を目指すからにはほかの学校にないような実力を兼ね備えておくことが必要になります。
高校生ぐらいであれば、推薦で腕のよい部員を集めて全国大会に出ることができるかもしれませんが、中学校の場合はそのような方法も考えられず素人を集めて厳しい練習をするしかありません。
ですが、厳しい練習をしただけでは優勝するところまで行くことは難しいといえます。
なぜなら、生徒のモチベーションが付いてこない可能性があるからです。
全員一致で厳しい練習に耐え目標を達成するのであれば別ですが、通常はやる気のある生徒が2割ほどいて、それなりに頑張ろうとしている生徒が6割ほど、そしてあまりやる気のない生徒が2割ほどいるものです。
全体のモチベーションを上げるのは難しいですが、少なくとも部員のうち8割のモチベーションを上げることができればかなり底上げをすることができ、地区大会どころか県大会でも上位の成績を収めることは可能です。
最初からやる気のある2割の生徒は今の状態を維持するとして、それなりに頑張ろうとしている6割の生徒のモチベーションを上げていくことが重要になります。
やる気のない2割の生徒に関しては、理想をいえば俄然やる気にさせて全体のモチベーションを上げることが重要ですが、実際にやる気のない2割の生徒のモチベーションを上げるのは難しいため、やめない程度に練習に参加させるのがよいでしょう。
6割の生徒のモチベーションを挙げて8割の生徒を俄然やる気にさせるためには、まず目標設定を明確にすることです。
ただ、学校でよくありがちなのがテスト勉強などで目標設定をするけども全く手が届かない場合です。
これは目標設定自体が間違えている可能性があり、あまりにも目標が遠いことが原因になります。
いきなり大きな目標を掲げるのではなく、現在の立ち位置よりももう1段階だけ階段を上ったところを目標にするのが良いです。
例えば現在地区大会で準優勝することができる実力であれば優勝を目標にすることは決して非現実的ではありませんが、準優勝にも満たない学校の場合はまずは準優勝から狙うしかありません。
そのとき必要になるのが中学生の意識の改革になるでしょう。
現状維持の状態であれば意識を変えなくてよいので意識の問題はそれほど考えなくてよいですが、ワンランク上を目指す場合にはギアを一つ上げて意識を高める必要があります。
そこで初めて、顧問の実力が発揮されるといってよいでしょう。
顧問は単に楽曲の指導しているだけではなく、生徒をその気にさせることも重要になります。
顧問がいくらやる気を出していても、生徒が目標に到達することはできないと考えていては始まりません。
生徒のモチベーションを上げるためには、普段の練習の段階で生徒をその気にさせるためによくほめることが必要です。
少し大げさでも、今の実力ならば優勝は間違いないと言い切るぐらいの気持ちが必要です。