俳優や女優、声優、歌手を目指している方にとって、ボイストレーニングは避けては通れない道ですよね。
しかし、大きな声を出してボイストレーニングをするための場所を確保するのことが難しい人も、結構いるのではないでしょうか。
スタジオを借りたり、カラオケボックスを利用するのが手っ取り早いですが、そういった場所を借りるためのお金って馬鹿にならないんですよね…
かといって、資金面が気になるせいで、ボイストレーニングの頻度を減らさなければいけないのはなんとも悲しい。そもそも近所にそういった施設が無い人だっていますし、お金があっても環境のせいでボイストレーニングが出来ないパターンもあるかと思われます。
そんな方々でもボイストレーニングを満足にこなせるよう、自宅で出来るボイストレーニングをいくつかご紹介します。
1.声を出すだけがボイストレーニングではない
ボイストレーニングといっても、その方法は無数に存在します。
まず勘違いして頂きたくないのが、声を出す=ボイストレーニングではない!という点です。つまり、声量を増やしたり、音域を広げるトレーニングは、声を出さなくても出来てしまうのです。
それならば、別にスタジオに行って高いお金を払ってボイストレーニングをしなくても、基礎的なトレーニングであれば毎日自宅でいくらでも続けられちゃいますよね。
2.声を出さないボイストレーニングを重ねたら声を出そう
ただ、やはり声を出さないボイストレーニングは、あくまで基礎的なものです。
自宅で身体の基礎作りがしっかり出来たら、スタジオなりカラオケボックスなり声の出せる環境をなんとか探して、声を出すボイストレーニングも行ってみてくださいね。
施設が無いという方は、勇気を出して近所の公園などで声を出してみましょう。筆者の近所の公園では、よく駆け出しの芸人さんがネタの練習を一人で大声でやっているのを見かけます。
小さい公園なので、その人がいるとものすごく目立っていて、案の定通行人から不審な目で見られるのですが、それでもお構いなしで声を出して稽古を続ける姿はなんとも勇気付けられます。
そういう人って、自然と応援したくなりますよね。恥ずかしいという気持ちよりも、上手くなりたいという気持ちが勝っていれば、環境を理由にしないでああやっていくらでも練習も出来るということです。
3.ストレッチをしよう
それでは、自宅で出来るボイストレーニングを具体的にご紹介していきましょう。
どんなボイストレーニングでも共通して言えるのですが、身体がガチガチだと声が上手く出せませんので、事前に身体をほぐしておく必要があります。
特に重要なのが首の周りの筋肉です。首や肩に力を込めがちな人は、首や上半身の力を抜いて、首を回したり、肩を回したり、腕を上に伸ばして左右に倒し、脇腹を伸ばしたり…と、きちんと上半身をリラックスさせておきましょう。
時間に余裕があるときは、脚の付け根を伸ばしたり、下半身のストレッチも是非やっておきましょう。
ストレッチをすることで身体も温まり、ボイストレーニングをスムーズに行うことができます。
4.肺活量を増やそう
ストレッチで身体が温まったら、いい声を出すための基礎体力作りをしましょう。
腹筋などの筋トレももちろん効果はあるのですが、どちらかというと表面的な筋肉をガチガチに硬めるというよりも、インナーマッスルを鍛えた方が発声が安定します。
また、顔の筋肉を鍛えることも意外と重要になってきます。それらを鍛えるためのおすすめのボイストレーニングをご紹介します。
足を肩幅程度に開いて真っ直ぐに立ち、笑顔を作りましょう。そして口を「ア」の形に開き、息を思いっきり「ハアッ」と吐きます。このとき、吐く息をストンと真下に落とすイメージを持ってみてください。
そして、お腹の中の息を一度で全部出し切るようにしましょう。
同様に、次も笑顔で口も「ア」の形を保ったまま、今度は舌を出します。舌は下唇に付けるように、真下に下げましょう。そして舌を出したまま「ハアッ」と息を出します。
この顔の形を保ったまま、ほっぺたや顎の下の筋肉がグッと引っ張られた状態をキープしますので、自然と表情筋も鍛えられます。
そして、身体の中の息を思いっきり吐くことを続けているうちに、インナーマッスルも鍛えられて肺活量も増えてくるはずです。
まとめ
ボイストレーニングにしてはとても地味な内容ではありますが、インナーマッスルを鍛えているのといないのでは大きな違いが出ます。
ちなみに、今回は声を出さずに出来るボイストレーニングをご紹介しましたが、どうしても声を出して練習したい人は、新聞紙を円筒状に丸めて逆メガホンを作ったり、布団の中に頭を突っ込んで練習するのも手です。
そんな原始的な…とお思いの方もいるでしょうが、年配の俳優・声優の方々は「昔はみんなそうやって練習した」と口々におっしゃいます。
環境が無いからと諦めずに、工夫して自分に出来る練習を見つけてみてくださいね。